【新書】社会原理に基づく「共感的な利他主義」とは何か
スキル
2025.11.18
『共感の論理』
-日本から始まる教育革命
渡邉 雅子 著 | 岩波書店(岩波新書) | 206p | 990円(税込)
はじめに――社会と教育の大転換
序章 近代の矛盾とポスト近代の価値観
第1章 四つの教育原理――教育文化のモデル
第2章 共感の論理――社会原理の日本の教育
第3章 教育のグランドデザイン――利他と多元的思考を育む
終章 日本から始まる新しい秩序――利他と多元的思考が拓く未来
【イントロダクション】
気候変動に伴う自然災害や戦争、経済格差といったグローバルな社会課題が深刻化している。これらは近代化の矛盾と捉えることもできるが、日本は、その矛盾を克服する価値観を、学校教育を通じて長く継承してきたという。
自然を「搾取する対象」と考えず、「自然の一部としての人間」と認識する価値観だ。
本書は、近代化の矛盾や問題を指摘するとともに、それらを解決する「ポスト近代」の価値観を示す。
ポスト近代には、経済、政治、法技術、社会の四つの領域のうち、近代に主だった経済領域ではなく、社会領域の原理が主になる必要があるという。そして、ポスト近代に求められる価値観は、日本の学校で教えられてきた「共感」の論理によって育てることができるとする。さらに、社会原理に基づく「共感的利他主義」が、脱近代化の鍵になると説く。
著者は名古屋大学大学院教育発達科学研究科教授。コロンビア大学大学院博士課程修了。博士(社会学)。著書に『論理的思考とは何か』(岩波新書)などがある。
新規会員登録(無料)から有料購読の手続きをしていただくと本ダイジェストの続きをご覧いただけます。会員登録はこちらから
既にSERENDIP会員の方は本ダイジェスト全文を下記から閲覧いただけます。
法人の会員はこちら
個人の会員はこちら