【新書】CO2固定や土壌浄化にも役立つサボテンの可能性 - 書籍ダイジェストサービスSERENDIP(セレンディップ)

『サボテンは世界をつくり出す』
-「緑の哲学者」の知られざる生態
堀部 貴紀 著 | 朝日新聞出版(朝日新書) | 248p | 1,045円(税込)


第1章 「センス・オブ・ワンダー」を探して
第2章 サボテンの聖地、メキシコへ
第3章 サボテンの驚異の生態
第4章 サボテンは救世主――食料可能性、地球温暖化防止
第5章 サボテンをどう学ぶ?――大学研究室から
第6章 人はなぜサボテンに惹かれるのか?
おわりに そして、サボテン人生は続く


【イントロダクション】
日本で「サボテン」と言えば、トゲを持った珍奇な外見の「観葉植物」というイメージが強い。しかし、世界ではサボテンを食用とする地域も多く、乾燥や高温といった過酷な環境下でも育つことから「世界の食料危機を救う」作物として注目されている。
さらに、CO2の固定や汚染土壌の浄化に役立つ可能性もあるようだ。

本書は、日本で唯一のサボテン学者である著者が、フィールドワークや研究室でのエピソードを交えつつ、サボテンの特殊な生態や能力について詳述している。
サボテンは水を大量に含むことから、家畜の飼料として与えると家畜の飲水量が減り、節水効果があるという。また、サボテンはCO2をシュウ酸カルシウムとして体内に蓄積する能力を持っており、枯死後も100年から100万年という長いスパンでCO2を土壌に固定できる。さらに、重金属による土壌汚染を植物によって浄化する「ファイトレメディエーション」への応用も期待されている。

著者は、中部大学応用生物学部准教授。専門は園芸学、植物生理学。自治体や民間企業とサボテンの活用を推進する取り組みを多数行っている。


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