【ベストセラー】数理モデルの予測の真偽が必ずしも重要でない訳
社会
2025.12.12
『数理モデルはなぜ現実世界(リアルワールド)を語れないのか』
-社会的な視点から科学的予測を考える
エリカ・トンプソン 著 | 塩原 通緒 訳 | 白揚社 | 352p | 3,960円(税込)
1 モデルランドとはどこのこと
2 箱に入れて考える──モデル化するとはどういうことか
3 モデルはメタファーのようなもの──比喩としてのモデル
4 犬に最も似ている猫──モデルの解釈
5 作り話と予測と確信──モデルとナラティブの関係
6 説明責任の空白──モデルの役割と専門家の役割
7 万物の支配者──経済モデルと金融モデル
8 込み入った空気──天気モデルと気候モデル
9 完全なる制御下──感染症と疫学モデル
10 モデルランドからの脱出
【イントロダクション】
新型コロナウイルスのパンデミックで脚光を浴びたものの一つに「数理モデル」がある。現実世界で起こるさまざまな現象を数式で表し、予測やそれに基づく意思決定やシナリオ作成に役立てるのが数理モデルである。
だが数理モデルは現実をそのまま映し出すことはできない。ではなぜ数理モデルは役に立つのだろうか。
本書は、数理モデルに内在する問題点を明らかにし、さまざまな事例を挙げながら、どうすれば現実世界で数理モデルを正しく役立てることができるかを論じている。
数理モデルを扱う際に重要なのは、「目的に対して十分に妥当」であるかを検討し、モデルの作成に価値判断が伴うことを意識しながら最良のモデルを選択することだという。
著者はユニバーシティ・カレッジ・ロンドンの工学部・科学技術工学公共政策学科の准教授。意思決定のための数理モデルを研究している。ロンドン数学研究所研究員、ロンドン・スクール・オブ・エコノミクスのデータサイエンス研究所・客員上席研究員も務める。
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