【海外書籍】国際刑事司法を扱う初の常設機関が設立した経緯
政治
2025.07.03

『国際刑事裁判所(ICC)と「検察官の独立性」』
The Independence of the Prosecutor: Controversy in the Creation of the International Criminal Court
Laszlo Sarkany 著 | University of British Columbia Press | 248p
1.国際刑事裁判所(ICC)と独立検察官の物語
2.検察官の独立性
3.カナダと英国におけるICCに関する議論
4.米国と日本における国内政治とICCに関する議論
5.ついに恒久的国際刑事裁判所が!
6.ICCにおける「政治」の取り扱い
【イントロダクション】
2024年3月、オランダのハーグにある国際刑事裁判所(ICC)の所長に日本人の赤根智子氏が就任し話題となった。
個人の国際犯罪を裁くための常設司法機関であるICCは、1998年にローマで行われた国連全権外交使節会議で採択された国際条約(ローマ規程)によって設立されたが、その検察権をめぐり議論が続いているようだ。
カナダのブリティッシュコロンビア大学の出版部門から刊行された本書では、ICC設立の背景と経緯を追いつつ、いかなる国家や国家連合の意向にも左右されないICC検察官の「独立」について詳細に論じている。
初代ICC主任検察官を務めたルイス・モレノ・オカンポ氏は「政治的配慮に屈することなく法を適用する」といった原則を主張するが、紛争の和平交渉中の捜査や訴追の是非など、解決すべき問題が残っているという。
著者のラズロ・シャルカーニ氏は、カナダのオンタリオ州ロンドンにあるヒューロン大学政治学部助教授。政策専門誌やメディアに寄稿するほか、NGO「No Peace Without Justice」を代表して国際刑事裁判所の年次締約国会議に出席している。
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