【ベストセラー】締切が私達の「生きている時間」と合わない理由 - 書籍ダイジェストサービスSERENDIP(セレンディップ)

『なぜ人は締め切りを守れないのか』
難波 優輝 著 | 堀之内出版 | 295p | 1,980円(税込)


序章 なぜ人は締め切りを守れないのか
第1章 いい時間とわるい時間──私たちはどんな「今」を生きたいのか?
第2章 プロジェクト──私たちから時間を奪うもの
第3章 生きている時間──私たちはいつも何かに間に合わない
第4章 いろいろな遊びの時間を旅する──時間の遊び論
第5章 いい時間をつくる──時間正義のためのデザイン
第6章 デッドライン──死から締め切りの本性を考える


【イントロダクション】
仕事ではもちろん、日常生活においても、「締め切り」に縛られた経験がないという人はほぼいないのではないだろうか。そして人はしばしば、突発的な事情やタスクオーバーなどの理由で締め切りを守れない。
だが、締め切りを守れない真の理由は、私たちが普段あまり意識しない「時間の本質」にあるようだ。

本書では、「締め切りを守れない」という現象を足がかりに、人が「時間」をどう捉えているのか、「いい時間」とはどんな時間で、それをいかにつくっていくかなどを、哲学、社会学、歴史学、人類学などの理論を援用しながら深く論じている。
私たちが〈生きている時間〉は、スムーズに一定の間隔で刻まれるわけではない。個々の生き方のペースやさまざまな事情によって自然な時間の流れの感じ方は異なる。一方、締め切りは時計が刻む一定の流れ通りに定められる。両者のずれが、締め切りを守られ難くさせているのだという。

著者は1994年生まれの美学者。専門は、分析美学とポピュラーカルチャーの哲学。著書に『物語化批判の哲学』(講談社現代新書)などがある。


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